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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第3章 ❤︎ 結婚記念日 赤葦京治


「全然内緒じゃないじゃないですか。……でも先輩がそう言ってくれたら、少しは奥さんとしての自信持とうかな」
「ああ。胸張っていいんじゃないか?」
「ほんとに?」
「俺がいちかちゃんに嘘ついたことある?」
「ないです」
「じゃあ素直に俺の言葉受け取って」
「はい。ありがとうございます」

こんな何気ない会話が久しぶりだった。先輩なりに気を遣ってくれてるんだろうけどなんでも話せちゃう。こんな風にいい関係でいられるのも京治がいてくれたから。

少し心が軽くなって自然と笑顔になった時、インターフォンが鳴った。

「ごめん…っ、いちか。帰るの遅くなった」

ドアを開けて慌てた様子の声の主の髪の毛は乱れて全力で走ってきたの?って思うくらいに息は乱れてる。

「木兎さん、もう来てるよね」
「うん。一時間くらい前から」
「ごめん、約束の時間までに帰れなくて」
「ううん、大丈夫。疲れてるのにそんなに急がなくてもよかったのに」
「連絡も出来なかったから」

ネクタイを緩めながらリビングへと駆け寄り、リビングへと繋がる扉の向こうには両手を広げた先輩の満面の笑み。

「おー赤葦。久しぶり」
「すいません、せっかく来てもらってるのにお待たせして」
「なんだよ、営業っぽい話し方して…。お前だって忙しいんだから俺はなんとも思ってないよ」
「それでも連絡くらいは」
「いいって別に。俺は久しぶりにいちかちゃんともゆっくり話せたんだし」
「いちかもごめん」
「気にしないで。それよりご飯、ね。今かた温め直すから待ってて」
「…なら俺も手伝う」
「だめ」
「どうして?」
「京治は今までつまみ食いもせず待ってくれてた先輩の相手」
「ははっ。その言い方、さすがいちかちゃん!」
「つまみ食いしないなんて木兎さんも大人になりましたね」
「だろ?」
「でもほんとに今日はごめん。今度埋め合わせはちゃんとするから」
「しなくていいよ、そんなの」

申し訳なさそうな表情にこれ以上責めることなんてできない。京治が悪くないのだって分かってるし、急いで帰ってきてくれただけでもうれしい。今日のために用意したとっておきのお肉はやっと出番が来た。熱したフライパンにバターを落として、油がじゅっと弾ける。食をそそる香りとキッチンからみえる二人の横顔に自然と表情も綻んだ。
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