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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第72章 結婚するまで帰れません(1) 岩泉一


スタジオに着くと撮影用のセットが慌ただしく組まれていた。俺たちに気付いたスタッフが“こっち!”と手を振る。全体的に真っ白な装飾に飾られたスタジオは結婚式の雰囲気で造られていた。

「部活で疲れてるのにわざわざ来てくれてほんとにありがとう」
及「全然大丈夫です。でもこんな本格的なセットなんで驚きました」
「ここは前撮りでも使うスタジオなんだけど、どうせやるならとことんやらなきゃね。だから今日は新郎新婦になったつもりで撮影に挑んてくれると嬉しいな」
及「もちろんです。俺はその気満々です。ね、いちかちゃん!」
「そうなの?もしかして二人は付き合ってるのかな?」
及「そうで…」
「ちゃいます!!」
及「いちかちゃんそんな否定しなくても…。でもそのうち恋人になるので問題ないです」

ここまではっきり否定されてんのに問題ないって言い切れるこいつのメンタル相変わらずバグってんな…。

「そうなんだぁ。いいなぁ、楽しそうで…。あ、でもそろそろ撮影準備に入らないと…。早速なんだけどメイクルームに入ってくれる?男の子たちは左、女の子は右。それぞれのイメージで衣装もあるからスタッフが着付けてくれるからね」
花「あ、はい、分かりました」
及「じゃあいちかちゃん後でね。楽しみにしてるから…」
「そんな楽しみにしなくてええよ」
及「それと後で俺のスマホでも沢山写真撮ろうね。後でいい記念になるしさ…。帰りにコンビニで印刷して」
岩「おい、もう行くぞ。スタッフさん待たせんな」
花「はい、及川行くよ行くよー!」
及「ちょ、マッキー、そんな押さないで」

まだいちかに言い足りないのか花巻に連れて行かれても一人叫んでいる。とりあえず何処でも迷惑極まりない奴だ。

「ああ、私もドキドキしてきた」
「なんでだよ」
「これ以上一君を好きになったらどうしようって」
「あほらし」
「でもほんまに…。うっかり好きとか言わんように気をつけよ」
「そこはマジで頼むわ」
「うん、頑張る。…ほな、また後でね」
「ああ…」

いちかを好きと認めてしまった以上、俺だって自分の感情が揺さぶられそうでそれが怖かった。
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