第72章 結婚するまで帰れません(１)　岩泉一

及「え？なんで？」
花「レアだからじゃない？岩ってこういうの普段参加しないから」
及「そっか、それもそうだよね。岩ちゃんの事楽しみにしててくれてもいいけど、俺と見比べてくれても全然いいから」
松「案外、岩の方がいいってなるかも」
及「それはないでしょ。和装なら岩ちゃんの方が似合ってるかもしれないけど今回はタキシードだから。どう足掻いたって勝ち目はないよ」
岩「さっきから好き勝手言ってんな、お前は。失礼なこと言ってる自覚あんのかよ」
及「俺と岩ちゃんの仲じゃん。岩ちゃんだって俺といちかちゃんの事、応援してくれるでしょ？」
岩「知るか」
及「相変わらずつれないよね…」
花「まぁまぁ、今回は岩も参加してくれるって言ってくれたから俺たちも来れたんだからそこは感謝しとこ」
松「そうそう、かなりレアなんだから」
及「まぁね。俺といちかちゃんがいい感じになったら岩ちゃんはキューピットってことにしといてあげる」
岩「いらねぇよ」
「ならへんよ」

俺といちかの声が重なり、それを聞いた花巻と松川が吹き出して笑う。及川は不服そうに俺を見てくるのも気にせず背を向けた。とにかく今日後半日我慢すれば全てから解放される。数時間の我慢だ。