第7章 ❤︎ 堅治君だって\ちゃんと/反省できるもん 二口堅治
「そういうとこは素直なんだ」
「……うん」
「うんって可愛いなぁ、もう」
「だって言葉で愛情表現とかできないし、俺」
「堅治の口から“愛情表現”なんてワードが出ることにびっくりしてるよ」
「これでも色々考えてるってことくらいは分かってて…」
力のない言葉が消えていくのに反して手は絡まるように繋がれる。唇を重ねると二人分の重みに耐えるようにベッドが軋んだ。
堅治は誠実とは言えない。でも割とモテる。適度に鍛えられた体に無駄にやる気に満ちた艶っぽさがプラスされてモテるも理由は何となく分かる。でも今のところこんな表情が見れるのは彼女は私だけ。荒っぽいキスを受けるのも世界で一人だけ、そう思いたい。
「…堅治。ぎゅって、して?」
「へぇ…。珍し……。熱でもあんのか?」
「違う…。嫌ならいい」
「嫌なんて言ってねぇだろ?」
キツい言い方の癖に優しく抱きしめてくれる。優しく抱きしめる腕になんだか胸の奥がきゅん…ってなって、すこし切なく感じる。
「本当は他の子なんて見てほしくないんだよ」
「ごめんな…。俺なりに反省してるから」
綺麗じゃない感情が湧き上がる。でも堅治なりに受け止めてちゃんと言葉をくれるから固くなっていた心まで溶かされてく。
「うん…。もういい」
体を擦り寄せて唇を首筋に寄せた。
堅治も私に覆いかぶさり、片手で私の両腕を優しく拘束する。唇に軽く触れたかと思えば、気まぐれみたいに深く口付けるそんなキス。それが堅治の癖。自分の欲望に任せて私を弄ぶのに伝わる熱から逃げられない。