第7章 ❤︎ 堅治君だって\ちゃんと/反省できるもん 二口堅治
≫夢主side
こんなに必死で真剣な堅治、初めてかもしれない…、あっさり別れを承諾されちゃったらどうしようって考えてたから拍子抜けしながら今、腕の中にいる。
「さっき茂庭さんにフラれるぞって言われて結構焦って。いちかとも連絡とれねぇし、今回はマジでヤバいかなって」
「堅治…」
「ごめん。俺が全部悪かった。もう軽率に傷つけるようなことしないから。………俺と別れるとか、言うな」
きつく抱きしめられた腕がかすかに震えていた。
「俺以外を好きになるのか無理だから。いちかがいないと、ほんと無理……」
ああ、私ってちょろい…。
他にはもっといい人がいるかもしれないのに、何でこんなバカな人を好きになってしまったんだろう。
「ばか」
「ごめん…」
「もういいから。堅治の気持ちは分かったから」
「別れねぇよな?」
「うん」
だってこんな堅治を許せるのって世界中どこを探したってきっと私くらいだから。堅治のことを可愛く思う自分もいる。
「別れないよ」
「ほんと、ごめん…」
「私がいないとダメなんて他のみんなには絶対に言えないよね」
「……無理」
「ちょっとキュンとしちゃった…。可愛い」
「うるせぇ」
相変わらずな減らず口も可笑しくてこっそりと笑う。堅治の大きな背中に腕をまわして胸元に頬をくっつけて心臓の音がきこえてくる。こんな風に素直に甘えられるのって久しぶりだ。
「堅治…」
「何?」
「好きだよ…」
「…ん」
「ここは俺も好きって言わないの?」
「好きじゃなかったらこんな必死にならねぇよ」
「何よ、その上から目線…」
「俺が素直に好きとか言えない性格って知ってんだろ?お前も素直だと可愛いなって褒めてんの」
だからそれが上から目線なんだって…。
「なぁ、いちか…」
「何?」
「……したい」
待って、なんでそうなるの…。今の雰囲気ぶち壊しなんだけど。