第7章 ❤︎ 堅治君だって\ちゃんと/反省できるもん 二口堅治
「じゃあ聞くけど私が何とも言わなかったら何してもいいの?」
「それは違う」
「だったらはっきり言う。私だって嫌…。他の女の子のことなんて聞きたくなんてない」
「だったらそう言えよ」
「気付いてよ、彼氏なら。もう幼馴染じゃないんだよ?好きって言ってくれたのに…、嘘付き」
いつもはこんな風に感情をぶつけることのないいちか。よく見れば目は赤く充血していて今だって泣きそうに表情を崩している。俺はそれだけのことをしたのかってやっと現実を知った。
「それは……、ごめん、悪かった。でもそんなつもりじゃかなったって言っても遅いよな」
「もういい。謝ってくれなくていい」
「なんだよ、お前…。まさか別れようとか考えてねぇよな?」
「……考えてる」
「俺はそんな気はないから」
「堅治にその気がなくても関係ない。他の女の子に気があるなら私は」
「だからあれは冗談。遊び半分で声かけたってのもあるし…」
「連絡先交換してそんなのでマウントとるとか最低」
「だって女子少ないし。彼女いない連れに紹介してやったりできるだろ?」
「私には関係ないことだから。彼女の気持ちも考えられないのに友達の世話はやくんだね。……やっぱもう無理かも」
「いや、待てって。それは俺が困る」
「じゃあ、一生困ってれば?」
「俺はお前じゃねぇとダメなんだよ…」
「私は堅治じゃなくても大丈夫だよ」
「だから、俺が好きなのはお前だけなんだって!」
「そんなの知らなっ…」
それ以上聞きたくなくて俺はいちかを抱きしめていた。
いちかを離したくない…その想いだけだった。