第6章 ❤︎ 侑に振られた責任を治にとらせる話 宮治
暖房もつけていない部室も今じゃ暑くて仕方ない。まだ触れられてもないのに目の前の状況だけで下半身は熱をもってじんわりと背中が汗ばんでいく。もう待てない、本音に気付いたら我慢なんてできなくて恥じらいもなくさっさと下着を脱ぎ捨てると椅子に腰かけたままの治に馬乗りになった。何も言わず、苦しそうなままの表情を見つめたまままゆっくりと腰を沈める。
「んっ、ああ…っ。……治っ」
「……っ、は、ぁ………」
前戯もしてなくてまだ閉じたままのそこに無理矢理広げられいくように繋がっていく。二か月前まではまだ未経験で体もまだ慣れてはない。僅かな痛みと苦しさをかき消すように感情が込み上がってぐちゃぐちゃになる。
「ごめんね、治…。こんなことになっちゃって」
「んなの、ええから…っ」
「治でいっぱいになってる。……全部、忘れられるかな?」
「忘れたらええやん。そのために俺んとこ来たんやろ?」
ぎこちなく揺らす腰を掴んで下からぐんと押し上げる。奥へとねじ込まれていく感覚に意識が遠のいていきそうで、しがみつくつくように抱き締めた。
「うん…っ、そう、な……。ぁ…っ」
「それやったら…もう……」
完全に意識を持ってかれて治の言葉が上手く聞き取れなかったけど、収縮する中に熱い精液が注がれていく。繋がったまま熱が冷めないようにどちらからともなく唇を重ねて、瞳を閉じる瞬間に零れた一滴が侑を忘れる最後の涙となった。