第71章 ❤︎ 彼女のお世話係な彼氏岩ちゃん
「今から階段上がるから落ちんなよ」
「はい」
「手のかかるやつだな」
「うん。そうみたい」
それでも好きなのだから仕方がない。部屋の前でキスをせがんでくるいちかも、ベッドに寝かせてじっと俺を見つめてくるいちかも全部が可愛いくて全てを奪いたくなる。でもちゃんと理性側の自分はそれはできないと抑制してくるから上手くできてんなと自分でも感心する。
「上乗って痛くねぇか?」
「うん。足を動かさなければ大丈夫」
「このまま休むのもありだぞ?」
「やだ。いつもみたいにして」
「痛くなったらすぐ言えよ」
「うん」
〝いつもみたいにして〟甘く溶けるようないちかの声を脳内でもう一度リピートする。バスタオルを外すと手のひらに収まるくらいの胸が目の前に露わになってその薄ピンクの先端の蕾に口を含む。
「ふ……っ…ぁ…」
身を捩らせてしがみつくように抱きしめてくる。いちかの短くて荒い吐息がダイレクトに鼓膜を揺らした。今までの過程を経て熟れた部分に触れる、一番甘い時間だ。
「そこだけじゃ足りない」
「もう?」
「うん…」
素直な言葉は自分の穏やかな感情すら逆撫でするように覚醒させていく。いちかの仰せのまま体をなぞり太ももから下半身の中心へ指を滑らせる。言うまでもなく熱く蕩けた先は簡単に指を飲み込んだ。
これだけ濡れてたら大丈夫だろうと誘われるように膣口が指が触れるとぐちゅ…と粘性の高い水音を鳴らした。回数を重ねたおかげか抵抗はなく奥へと挿入でき、厚い粘膜の壁が包み、いちかの一際高い声が上がった。
「あっ、あぁぁ…っ」
「悪ぃ、痛かったか?」
「ん、違う…。指いれられただけでイッちゃうかと思った」
俺の肩をぎゅっと握り弱々しい声で呟く。男にとってはその言葉と仕草はマジでたまらない。一瞬で全身の体温が上がってしまうほどの衝撃と欲情。
「頼むから今そういうのやめろって」
「え?」
「なんでもねぇ」
一回出しているとはいえ、挿れたい、その四文字の欲求だけが大きくなる。でもここで無理をさせるわけにはいかない。