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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第6章 ❤︎ 侑に振られた責任を治にとらせる話 宮治


誰もいない静まり返った部室は微かにミントの香り。殺風景で薄暗い部屋に使い古したパイプ椅子がコンクリートを擦る音が響いて、適度な距離感を保ちながら向き合って座った。

「ほんで?何?」
「なんか面接みたいだね」
「他の奴に聞かれたないからこんなとこ選んだんやろ?」
「うん」
「やったら誰も来んうちに話して?しばらくは大丈夫やろけど」
「ありがと。意外と優しいんだね」
「特に断る理由がないだけや」
「それでもいいや。ありがと…。侑とはね、付き合ってまだ三ヶ月だったんだ。浮気癖があるの知ってて付き合った私が悪いけどでも三ヶ月だよ?たった三ヶ月で浮気されちゃった」
「そら……、お気の毒で」
「恐らくだけど、多分進行形で三股くらいしてる」
「マジか」
「ほんとに知らないんだ。双子なのに」
「顔が似てんのは認めるけど、全然性格ちゃうしな」
「そうみたいだね」
「連れてくる子がしょっちゅう変わってんのは知ってるけど。俺、彼女いてたことないから浮気する奴の気持ちなんか分からへん」
「治もモテそうなのに」
「一方的に告白されるってだけやで。好きでもないんやから無理に付き合わんでもええなと思っ」
「侑は逆でちょっとでもいいなって思ったら自分のものにしちゃうんだろうね」
「ストライクゾーンが無駄に広いねん、あいつは」
「結局、私は大勢の中の一人だったってだけの話なんだよね。あーあ。私の初めてだって捧げてあげたのに…。どういう教育されたらこうなるんだろうね」
「俺にも分からん。…けど、なんかごめんって言うとくわ一応」
「なんで治が謝るの?侑が悪いのに」
「双子の片割れやから…?」
「面倒な兄弟もったもんだね」
「せやな」
「どうせ私が一人傷付いたところで侑の日常はなんにも変らない。今もどうせ他の女の子と会ってるんじゃないかな」

そう思うと一瞬だけ胸が痛んだ。私だけに愛情を向けてくれてた時間が恋しくて強がってても侑のことが好きだったんだな、とか今更過ぎる感情が溢れてくる。


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