第70章 ❤︎ 射精管理 二口堅治
どのくらい唇が重なっていたのか分からない。気がつけば俺の方からも舌を絡めて唾液が混ざる口の中が熱かった。いちかが徐に下半身に触れ、布越しに浮き立たせるように触れていく。
「普通触るなら触っていい?とか聞かないの?」
「あ、ごめんね。つい…」
「いつからそんな大胆な奴になったんだよ」
「分かんない。だって初めてだし」
「初めてでこれってヤバくね?」
「んー。そうかも」
甘えるように俺の肩に凭れかかり体を預ける。シャツ越しにいちかの胸が触れてその感触を少しでも感じたくて意識してしまう自分がいる。
「でもこうやって手で触れるのって気持ちいいの?」
「…微妙」
「そっか。まだ下手くそだね」
「下手くそとか言ってないけど」
「やっぱり口がいいのかな?」
「いいって。それはマジでいい」
「でも気持ちよくなれないならダメだよ」
体に預けられていた重みがふっと軽くなったと思えば、迷うことなく俺の下半身へ顔を埋めようとする。
「だからそれはいいから」
「良くないの」
「意味わかんねぇってマジで」
「それでもいいもん」
「馬鹿だろ…」
止まらないいちかについ声が荒くなった。いちかに声を荒げたのはこれが初めてかもしれない。この状況においていちかを止めることもできない俺の方が馬鹿なのに、いちかを傷つける言葉しか出てこない。
「馬鹿でいい。でもここで止めちゃったら次堅治君の顔見ることもできなくなりそうだもん。会う自信もなくなる」
「そりゃそうだろ」
「だからいいの。今日が全部思い出になっても後悔しないから」
女ってマジでなんなんだよ。言ってる意味わかんねーしなんでこんな思考がぶっ飛んでんだよ。この決意を前に俺は完全に動けなくなっていた。硬くなったものを空気に晒し、いちかの髪が触れ先からねっとりした熱い粘膜が包んまれていく。呼吸が途切れてしまうほどの感覚に身慄いした。
頭を上下に振り口の中の唾液で馴染ませていくような動きになんとか耐えようと目一杯の理性を働かせた。一瞬でもこの感覚に気を抜けばヤバい。せめて視界にはいちかを入れないようにと顔を上げ目をギュッと瞑る。