第70章 ❤︎ 射精管理 二口堅治
「気持ちいい?」
「…別に」
「手で触るよりは気持ち良さそうだね」
「喋んな。頼むから」
「やだ。だって今堅治君の舐めてるのは私だもん」
知ってる。いちか相手だから余計にこっちはヤバいのに。そんなことも知ってか知らずか、あるいはわざとか…。いちかは先端を口に含んだまま根元を扱き始めた。
「やめ…ろ、って」
自分の声なのかと疑ってしまうほどの非力な声が情けなく聞こえた。まさかこんな展開を迎えることになると思ってもいないし、ここ三日間くらいは自己処理もしていなかった。機械的な容赦ないピストンは本気でイカせようとしているようにしか思えない。迫り来るような射精感に絶望感も混ざり合う。
「これ以上やったら出る…んだけど」
いちかは答えるとなくノールックの容赦ない動作が繰り返されるだけだった。俺のものを一心不乱に舐めてその動作で胸の膨らみが上下に揺れる。画面越しでもなくこれがリアルで行われている現実を突きつけられて、制御することもできない欲の塊はいちかの口内を犯した。
「んんっ」
射精に合わせていちかの動きが止まった。何度かの波に分けて放たれた欲の後数秒は何も考えられなかった。徐々に理性が戻ってきた時には口を手で覆ういちかの姿と〝やっちまった〟という後悔が残る。
「それ飲むなよ。どっかに吐き出せ」
「…うん」
机の上の箱ティッシュから適当に取り出しいちかに渡す。ティッシュを口元に当て少し咽せ込む様子にさすがの俺も心が痛む。
「ごめん。これはマジで謝る」
「大丈夫だよ。ちょっとびっくりしただけだから」
「ごめんな」
「ううん。ちゃんと気持ちよかったってことだよね?私も初めてだったからどうしたらいいのか分からなくて止められなかったから」
「どうしたらいいのか分からないって言う割には…」
「え?何?」
「なんでもない」
どうしていいのか分からない奴がやることじゃねぇだろって言うのが本音。けど今は深入りはしたくない。