第70章 ❤︎ 射精管理 二口堅治
実際のところは鎌先さんに霊感なんてないし(というか霊も寄り付きたくなだろ)肉離れ起こしたのは鎌先さんとふざけて濡れた廊下を全力疾走して転んだだけだけど。
「あとこの前は部活終わりにこっ〇りさんやって部室から出られなくなったこともあった…」
それも実際は勝手に部室で寝てて締め出されただけだけど。
「他にも色々ある特級呪物みたいな人だけど、会って大丈夫なの?いちか、幽霊系って無理なんじゃねぇの?」
「無理。断るよ」
「この俺でも財布にお札入れてるくらいだから」
ま、今俺の財布ん中に入ってるのはコンビニのレシートくらいだけど。
「うん。キッパリ断っとくね。教えてくれてありがとう」
話は半分くらいフェイク入ってるけど別に騙したわけじゃない。この方がいちかのためでもあると全俺が満場一致でそう結論付けただけ。
「あーあ。残念」
「なんで?」
「彼氏できるチャンスだったのになぁ」
「別にうちの高校じゃなくて良くない?」
「はじめね、伊達工のバレー部って聞いた時、3年生って知らなくて。参加してくれる中に堅治君いたらいいなって思ったの。だから…」
「俺、大人数で飯とかあんま好きじゃない」
「そっか。でもどうして?」
「特に理由はないけど」
「久しぶりに会ったからひとつ聞いてもいい?」
「何?」
「堅治君は彼女いるの?」
「あ?」
「ごめん。聞いちゃいけなかった?」
「別にいいけど」
「彼女、いるの…?」
圧の強いやや上目遣い気味な視線に内心たじろいだ。いちかはじりじりと距離を詰めて俺の目の前に腰を下ろして澄んだやや茶色がかった瞳に俺の姿が映る。
「久しぶりにこんな近くで堅治君といるかも」
「近すぎな」
「嫌?」
「嫌、じゃないけど…」
「じゃあもう少しそばにいていいよね?」
目の前にいるのは俺の知っているいちかだよな?触れてしまいそうになる距離に速くなる心拍。このまま流されるのはなんとなくまずい気がするとブレーキをかけようと理性が働くのに体は動かない。