第69章 ❤︎ 黒尾鉄朗と岩泉一、どちらを選びますか?
「無理しなくていいんだぞ?」
「でも、気持ちいいが勝っちゃう。こんなに骨抜きにされちゃうくらいに抱かれるの久しぶり…、初めてかもだから」
「だよなぁ。やっぱいちかとやんのが一番いいわ。他の女抱いても満足できねぇもん」
避妊具を外しながら平然と言い放つ。俺は持ち合わせていない容赦のなさに狂気じみたものすら感じる。柳瀬の瞳は何か言いたげにとろんとしたまま俺を見つめていた。
「ゴム、ベッドんとこだよな?」
「何?岩泉さん、もう一回やんの?」
「だったらなんだよ」
「俺に隙見せていいのかなぁって」
「どういう意味だ?」
「ゴム取りに行ってる間に、俺、もう一回犯しちゃうよ?中出しして孕ませたら絶対俺のもんになんだろ?」
「ふざけんな。柳瀬の人生なんだと思ってんだよ」
「だって俺全部欲しいもん。んでこのまま俺の子孕んで結婚して…。そんくらい重い愛情で愛してんの、こいつのこと」
「柳瀬の同意なしにか?」
「んー、まぁそれはさすがに男として微妙なとこだよな。でも言わせる自信しかねぇよ?いちかが欲しいっつったらいくらでも中に注ぎ込んでやるんだけど」
「だったら俺は全力で阻止するわ」
「へぇ、どうやって?」
崩れ落ちそうな体を壁を支えにもたれさせ、濡れた内太腿をなぞりその先に触れる。迷わず差し込んだ指先から熱くぬめった壁の感触に包まれていく。
「やぁぁ…ぁぁぁ……」
指を二本バラバラに動かし乱暴に中を掻き回すように出し入れを繰り返す。どこに触れても性感帯と化した体は激しく揺さぶられるだけで火がついたような矯正がエコーのように響く。張り詰められていく空気の中で柳瀬の焦点は合っていなかった。
「だめ…っ、また、イク……っ、あぁぁぁあ」
ガクガクと体を痙攣させた後すぐ指でも中がきゅうっと収縮していくのを感じる。完全に意識を失った柳瀬は俺に体を預けながら崩れ落ち失神した。