第69章 ❤︎ 黒尾鉄朗と岩泉一、どちらを選びますか?
シーツはシミが広がり火照った体の体温を奪っていく。使い物にならないベッドを離れ軽く意識を飛ばせた柳瀬抱えて風呂場へ向かう。
「そこ、手つかせて立たせて?俺、まだイッてねぇから」
冷たい空気としんと静まった浴室に低音が響く。
「……やだ。立ってらんない」
「俺に捕まってろ」
前から抱えながら柳瀬の体を支える。自分の腕の中で他の男に犯されるように抱かれるもどかしさに柳瀬への思いが募る。
「ちゃんと意識保っとかねぇとキツイぞ」
「無理だよ」
「じゃあ顔上げろ」
焦点を失いつつある頼りない視線を拾い、ゆっくりと口付ける。どこか一部でも柳瀬と繋がってないとあっという間に持っていかれてしまいそうで唇を一瞬たりとも離したくなかった。
「ん…っあ、……ふ、……んんっ」
「こうやって後ろから限界まで突かれんのが好きなんだよな?久しぶりにブッ飛んでるいちかの姿見て俺もそろそろ限界なんだよ」
荒く息を吐きながら歯を立てるように頸に口付けていく。されるがままになっている柳瀬の体を抱きながらなんとか繋ぎ止めている。
「俺んとこ戻ってきたら結婚する…?てかしよ?一生俺のもんでいてよ?」
「はっ、こんな時にプロポーズとかマジで頭ぶっ飛んでんな」
「だって止められねぇもん。使える手段は全部使うの、俺はな?」
俺のもんだと見せつえけるように首筋にキツく吸い上げて紅い印を残す。
「奥で出すから、受け止めろよ?」
「待って待って。…無理だからぁ。…あぁ、んっ」
ずんっと貫くようにした腰を打ちつけたあと、柳瀬も小さく悲鳴を上げて俺の体にしがみついた。熱気と荒い呼吸が重なる。引き抜いたゴムの先端には大量の白濁液が溜まっていた。
「はぁ、ぁぁ………。もう立てない…。頭もぼーっとしてて」
「俺にもたれてていいから」
「はい…」
へなへなと力なく座り込む柳瀬を抱えて浴槽のヘリに座らせる。紅潮した頬、髪の毛は毛先が濡れている。