第68章 ❤︎ 青城3年とルームシェア
「ああそう…、女の私には理解できないかも」
「理解しなくていいよ。ただ懺悔しておきたかった」
「でも結果的に一静の願望は叶ったんだよね?」
「そうなるよね」
「満足したの?」
「もちろん。いちかが全部味わった上で最後に俺を選んでくれたら最高の結果だったと思ってる」
「一静って頭いいのに超馬鹿だね」
「今は最高に満足してる。いちかが他の誰かに抱かれても俺に見せる表情だけが本当のいちかなんだって分かったから。でもこれからはダメ」
「勝手だね」
「ごめん。これからの人生かけて償っていくから」
「じゃあ私が死ぬまでずっとそばでいてね」
「うん。死んでも離さない」
「じゃあもし、一静が例のウイルスに罹って先に死んじゃったら?」
「いちかを残して死なないから。俺の免疫が弱いと思う?」
「4人の中で一番無駄に強そう」
「だろ?」
「じゃあこれからしっかり私のこと大切にしてよ?」
「約束する」
映画のクライマックスシーンのように口付けを交わす横でテレビの画面ではヒロインがゾンビに襲われていた。絶叫する悲鳴が響く中で、私たちの口付けも深くなっていく。一静が私を愛してくれるなら復縁のきっかけだってこのカオスな空間だってなんだっていい。全身が満たされていくような幸福感に嘘はつけないから。