第5章 ❤︎ 三日間ハメまくった記録 黒尾鉄朗
快感に震える体が呼吸が落ち着くにつれ意識も鮮明になってくる。人気の少ない非常階段とはいつ誰に見られてもおかしくはない。壁に手を突くように項垂れるいちかを抱きかかえて後部座席へと寝かせる。
「もう家に帰るの?」
「いや?とりあえず服濡れてるからこのバスタオル巻いてとけな?」
仕事用にいつもいれているバスタオルを広げ体を包むように掛けた。いちかは“鉄朗の匂いだぁ”と頬を寄せて柔らかく笑いながら俺を見る。
「ねぇ、今からどこ行くの?」
「ホテル…。服も濡れてるし休憩しようぜ」
「そうだね。…お風呂入りたい」
「なら尚更だな。家よりホテルの方が近いし。じゃ、車出すからな」
運転席に乗り込みエンジンをかけルームミラーでいちかの姿を確認する。濃厚過ぎるといってもいいほどの三日間を過ごして改めていちかへの思いを振り返ればまだ寂し気に外を見つめる表情に胸を締め付る。残された数時間で全部俺のモノにしたい…そう決めてディスカントストアを後にした。