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不死川サンとの恋【鬼滅の刃•不死川実弥】

第11章 桜春夜


「不死川サン、ソレハイッタイ…?」

「明日も朝早ぇんだろォ。花耶今朝、何時に出かけたんだァ?」

「5時ですけど。」

「黙っておいて行くなァ。」

「お手紙置いたじゃないですか。」

「ンな家出みたいな真似しやがってェ。」

「とりあえず、朝起こせェ。」

「に、してもお布団…。」

と言いかけるものの不死川サンに睨まれたら常人は言い返せない訳でそれ以上言葉が続かない。それ以上追求することを諦めて、不死川サンの手当てに取り掛かる。

「今日の訓練では、具合どうでしたか?」

「多少動きづれぇが問題ねェ。」

「良かったです。治りもいいようですね。」

怪我を負ってから5日ほどなのに、化膿することもなく順調に綺麗になっていく傷。
もちろん、胡蝶様のお手当のおかげも大きいが柱である不死川サン自身の回復力も凄まじい。
本格的に任務を再開するのも、思ったよりすぐだろう。明後日にも胡蝶様に報告に行こう。

「終わりましたよ。」

「ありがとなァ。まぁ、明日も早ぇし寝るかァ。」

「あ、はい。」

「ほらよォ」

とお布団を捲られ素直に自分の布団へと入る。
私がお布団に収まったことを見届けると、不死川サンも隣のお布団へ入っていったのに、サッと抜け出してくるとチュッと触れる唇。

「おやすみ。」

とそれだけ言うといそいそとお布団に戻っていく不死川サン。
急に寂しくなって、不死川サンのお布団に片手を潜り込ませ、不死川サンの手を探りあてて指を絡ませる。

「不死川サン、おやすみなさい。」

「アァ。」

その夜、不死川サンのごつごつとした手に安心して眠る花耶と自分から布団を並べておいて指を絡ませて寝るという予想外の花耶の行動により、今宵もなかなか寝付けない不死川であった。
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