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不死川サンとの恋【鬼滅の刃•不死川実弥】

第10章 さくらさく


ー実弥sideー

お互いの気持ちを伝え合い幸せに包まれたところで、照れくささが湧き上がりぎこちなく帰ることとなった俺と花耶。
気の利いた話をしてやりたいが、喜びでニヤついてしまうのを平然そうに堪えるだけで精一杯だ…。
花耶の頬も淡い桃色に染まっていて可愛らしい。

屋敷に着いたところで俺を屋敷に送り届けるという胡蝶からの任務が一先ず終了、と帰ろうとする花耶を

「まあ、上がれやァ。」

と引き止める。
客間にちょこんと座った花耶、俺の屋敷にいると思うとまたもニヤニヤしてしまいそうになる。

(俺も情けねぇもんだなァ…)

まずは落ち着こうと、

「茶でも淹れるから待っとけェ。」

と言って台所へと半ば逃げるように出て、茶を入れる。

(恋仲になったとはいえ、任務で来んだ花耶は。落ち着けェ。)

と己の浮き足だった気持ちを落ち着ける。
と同時に、胡蝶からの花耶のもう一つの任務を思い出す。

“俺の就寝前の傷の手当て”

(就寝前に傷の手当てされるのかァ…。)

ふとあらぬ事が頭をよぎり息をのむ。

(いや、俺は何を考えてんだァ…。それより、夜間に屋敷に訪問してきて任務が終わったら帰すなんて危ねぇ事させられねぇなァ。)


俺の手当てが済んでから女隠しの花耶が、出動なんて鬼殺隊もそんな人使い荒いことはしないだろう。
まぁ、俺が絶対させたくないだけだが。
鬼から助けた時はもちろん、隠しになってすぐの頃やこの前も下手すりゃ瓦礫の下敷きになりかけた花耶。しっかりしているようで、どこか心配で放っておけない。

ふーと息を吐き冷静に考える。

恋仲になってすぐ。ガッついたヤツだと思われたくはない。
やましい気持ちがないと言ったら嘘になるが、それ以前に花耶の安全のため。
俺は、この任務の間だけでも花耶を家に住まわせる事を決意した。

理性を保てと未来の自分に言い聞かせながら。
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