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不死川サンとの恋【鬼滅の刃•不死川実弥】

第10章 さくらさく


不死川サンのケガの原因となってしまったが、この前の任務のおかげで一旦荷造りを経験しているので支度が捗る。
四六時中隊服というわけにも行かないだろうと、着物を風呂敷に入れながら、この間不死川サンからいただいた簪も忍ばせた。

私は、薬箱を斜めにかけ、風呂敷を2つ持ち、

「お待たせしました。」

と上がり框に腰掛けて静かに待ってくれていた不死川サンに声をかけて、自分も草履を履く。
不死川サンも立ち上がると、

「寄せェ。」

と言って全部持ってくれようとするので、

「私にとって薬箱は剣士様の刀のようなものですので自分で持たせてください。」

と伝える。
すると不死川サンは、

「そうかァ。ンじゃ、こっちの重そうな風呂敷なァ。」

と折角現場への出動がなく時間と体力がありそうなのでじっくり読もうと思っていた医学書を包んだ風呂敷を持ってくれた。
不死川サンは、左胸に傷を負っているのであまり左腕を使わないほうがいい。私は、片腕が空いたところで、不死川サンに取られまいと着物が入ったもう一つの風呂敷を胸の前に抱えた。
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