第9章 春を待って
ー次の日ー
昨日、帰り際に胡蝶様は、
「木月さん、明日もお待ちしていますよ〜。」
と微笑んでくれたけれど、不死川サンのお隣で爆睡してしまった私は、恥ずかしい上に2人に申し訳なさすぎて今日は蝶屋敷には行くのを辞めた。日中から薬の補充など雑務をしていると、普段任務の命令は専ら先輩から受けているためほとんど話したことのない上官に声をかけられた。
「木月、胡蝶様が、屋敷にお呼びだそうだ。」
(昨日、爆睡しちゃったのまた怒られちゃったらどうしよう…。柱の2人に無礼を働いて私、クビ…!?)
「は、はい。」
「木月に頼みたい業務があるそうだ。こちらの業務は、調整済だから気にするな。詳細は、胡蝶様から直接聞いてくれ。柱から直接の任務とは、木月もさすがだな。励めよ。」
どうやらクビでは無さそうで、一先ずホッとする。
これ以上、柱の胡蝶様に無礼を働くわけにはいかないと、私は蝶屋敷に急いだ。