第7章 夢の中の君ー実弥sideー
鬼の棲家であろう屋敷に入ると程なくして、囚われていた人間たちを見つける。
どうやら、ほとんどがまだ息があるようだ。
そして、
「俺様の獲物に何をする。」
と殺気だった屋敷の主。
すなわち鬼が現れれば、戦闘開始。
屋敷の中のため、そもそも狭いことに加えこの人質の量。
なかなか、思うように刀が振るえねぇ。
外に出てしまうと、街にも被害が出ちまうかもしれない。
どうすることにも出来ず、自ら左腕を傷つけ鬼を酩酊させる稀血を流す。
ふらついた足取りの鬼の首を取ろうと近づいた時、鬼が人質を使いやがってしくじった。慌てて刀の軌道を変える。
と同時に、俺は肩から胸までの大きな斬撃を食らっちまった。
なんとか、鬼の首を獲り戦闘終了。
隠したちが入ってきて、人質たちを搬送していく。
俺は、他の奴らを搬送させるため、呼吸で出血を抑えようとしていたが、全員、屋敷の外に出た後、力尽きてうずくまった。
しばらくすると、
「不死川サ、様!」
と待ち侘びていた声。
「…ァ。」
返事をしようとするもうまく声が出せない。
花耶は、俺の出血に動揺しながらも手際良く手当てをしてくれる。
止血をしながら、俺の容体を窺おうと目線を上げた花耶と目が合う。
何やら、声をかけるのを悩んでいるような花耶に、
(花耶そんな顔するなァ、大丈夫だァ)
とフッと笑いかけると、俺は意識を手放した。