第7章 Season 1 酔っ払い
目の前の翼の目はゆるゆると揺れて、私に訴えかけてくる。
「だから、お願い。僕を受け入れてくれませんか」
ずるい、と思った。
翼はそう言われて私が、というかほとんどの女が拒めない事を知っているのだろう。
私でさえ知らないような、本能の部分に訴えてくる。
「ごめんなさい、酷いことして」
そう言いながら、翼は私の手首を離してくれた。
きつく押さえていた手首をそっと撫で、翼は私の身体を溶かし始めた。
私の唇に自分の唇を重ねて、栓をするように舌を押し込んでくる。
そのまましばらくキスをしていたが、いきなり、私のパジャマと下着を下げると、右足の膝裏に腕をかけて持ち上げ、足を開かせた。
そして、翼も自分の下半身に纏っているものを脱いだ。いきなりするの……?と身構えると、既に堅くなっている部分を私の股に擦り付けてきた。
入れるんじゃなくて、ただひたすら何度も往復させる。
少し湿っている翼のそれが、私の体液をすくい、なすりつけるように小さな粒を中心に快感を与えていた。
翼の手でゆるゆると形を変えられる胸も、その先端が上で動いている翼の衣服に触れて、私の芯に響く。
指で触られるのとは違う感覚に、私はあっという間に昇り詰めた。
身体に力を入れて痙攣すると、翼が、
「ね、僕にだってちゃんと貴女を気持ちよくさせてあげることができた」
唇を離してうれしそうに告げた。
確かにとても気持ちよかった。
何も考えられないくらいだった。
とにかく、脳みその芯まで感じてしまった気がする。
ボーっとする頭で、快感の余韻に浸る。
意識が……飛びそう……。
「慧さん??大丈夫?」
やりすぎちゃったかな、と翼の困ったような声が聞こえた。
この可愛い顔をした男の子のどこにこんな技術や知識が詰まっているんだろう。
なんて考えがよぎった。
「僕、貴女を癒せましたか?すごく、可愛かったですよ、慧さん」
そう言いながら翼は私のパジャマの前を合わせ、ボタンを留めてくれた。
涙目のまま、私は翼をじっと見つめ、そして、翼の知っている事を聞いてない、と思い出し、まだ息切れのする呼吸で問う。