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私と彼らの生活

第13章 Season 2 新生活


私がとろとろとリビングに拓に向かって行きながら、

「中入らないの?」

聞くと、

「うん。せっかくじゃから、ね」

抱き寄せられて唇を重ねてくる。

「!!!?」

あの、リビングの磨りガラス越しに多分見えてますよ?と思いながら腕を突っ張って抵抗すると、

「俺もペナントレース参加、な」

目の前で笑ってくれた。

「とりあえず、キスはしたけぇあとは……」

拓の腕から逃れた私はその先を聞かずにリビングのドアを開けて中に滑り込んだ。

「すいません!順さん。私拭きます」

順さんが持っていたタオルを奪ってこぼれたチューハイを拭いた。

少し出遅れたせいでカーペットにもこぼれてしまっていた。

タオルで叩いて吸い取っていると、

「大丈夫?」

と裕。

処置が早かったため、そんなに被害が拡大せずに済みほっとしてへたり込んだ私に、

「こんな状況なのに、こぼれたほうが気になっちゃうあたりやっぱり慧さんだよね」

笑った。

それからまた暫くお酒を呑みながら時間が過ぎて行き、夜も更けてきた頃、

「さて、そろそろお開きにしますか?こういうの、これから先いつでもできるんだしな。ねぇ慧ちゃん今日俺たち泊まって行ってもいい?」

祥さんが片付けの合図をしてくれた。

「え、あ、はい。和室に確か来客用の布団があったと……」

「じゃあ、順はそれね。俺は慧ちゃんの部屋でいいから」

さらっと言った直後、裕の手刀が祥さんの肩に入り、

「なら慧さんは俺の部屋に来なよ」

引きつった笑顔で言うと、

「えと……」

「慧さん、僕が一番安全だよ?若いし」

様子を見ていた翼が横から口を出してきた。

どの辺りが安全なのだろうと困ってしまった私は散らかったゴミなんかを黙々と袋に詰めながら祥さんに、

「私子供部屋に、行きますから。子供と一緒でよければ寝室のベッドどうぞ使ってください」

と返しておいた。

「まじかよ?」

「あはは。祥さん一敗!」

悔しそうな祥さんに紘が手を叩いて喜んだ。
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