• テキストサイズ

私と彼らの生活

第7章 Season 1 酔っ払い


「ちょっと、つばさっち!?」

「……最近、慧さんかわいくなったよね?……僕に逆らわないほうが、いいと思うんだけど?言ってる意味、わかるよね?」

なら、口開けてよ、と翼は私を見下ろしてくる。

「……やだ」

私がなるべく目に力を入れて睨むと、

「じゃあいい。無理矢理口開けさせるから」

鼻をつまんできた。首を振って外そうとするが、うまくいかない。

だんだん息苦しくなって、つい口で息をしてしまう。

「……!!」

狙っていたかのように私の口に食らいつくと、翼は顔に似合わず濃いキスをしてきた。

他の男よりは軽いはずなのに、身体の上に翼の体重をしっかりかけられると暴れても、逃げられない。

「ほーら、ね。僕の言ったとおりでしょ?」

やり方はともかく、言ったとおり口を開けさせる事に成功し、翼は満足そうだった。

「僕のキス、感じた?」

「馬鹿!?」

酔っ払うとドエロになる、と拓が言ってたけど本当だったみたい。

「馬鹿じゃないよ?だって僕ずっと慧さんにキスしたかったんだもん。それに……」

また私の胸を触り始める。

「ずっと触りたかった。ね、いいでしょ?触っても」

「……もう触ってるじゃない」

「うん、そうだね。なんか、ちょっと酔いが醒めてきたみたいだよ。……ね、慧さん、エッチなことしようよー」

「どこが!!ぜんっぜん酔い醒めてないじゃない!!」

私の言葉を無視して、翼は、私の着ているパジャマのボタンを外し始めた。

「こら、やめなさいって!」

まるで寧々や乃々を叱るように言うと、

「……まぁた僕のこと子ども扱いした。僕、それ気に入らないんだよ。ちょっと黙っててくれる?」

急に低い声を出す翼。

表情から少しいらだっているのが伝わってくる。

口調もなんだか変わった。

まだ、さっきまでの酔っ払っただけの翼のほうが可愛かった。

さっきの翼とは別人のように、冷たい目で私のことを見下ろしてきた。

私の両の手首を片手でまとめて掴むと、そのまま私の頭の上で押さえつけ、そして、黙らせるためなのだろう、唇をふさいできた。
/ 143ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp