• テキストサイズ

私と彼らの生活

第6章 Season 1 後悔


そう言って拓はカレールーの売り場にさっさと向かってしまう。まぁ、いいかと私も拓を追いかけた。

拓の言うところのトリプルカレーにするべく、三種類の肉と、それから家に足りなさそうな野菜、ルーを買い込んで、帰路に着いた。

乃々は、買ってあげたお菓子を持って嬉しそうだった。

はやくあけたーい、というのを家に帰るまでは待とうねとなだめ我慢させながら。

「そういえば、拓はともかく、他のって彼女いるの、かな」

今まで彼らのそう言う話に首を突っ込んじゃいけないのかなと思って聞いていなかったけど、さっきの拓の話からどうしても私の中に興味が沸いてしまい聞かずにはいられなかった。

「んー?俺はともかくって、まぁ振られたてじゃからおらんけども……。紘くんはおるんじゃないかねぇ?あんだけ帰ってこんのは仕事だけじゃなかろー?しかも一人って言うよりは2、3人」

言いながら拓はぷぷっと笑う。

「確かに。そう思えば納得いくよね」

いろいろと、の部分は黙っておいたけど、少し私の心がざわついた。

「つばは、どうじゃろ。あいつは謎じゃね、ドエロじゃし。年上にしか興味がないとは言っとったけど……。今度聞いてみちょくよ。あ、裕はおらんよ。あいつ慧さんち来て2か月くらいにフリーになったって言いよったけぇ」

「あぁ、でもいたんだ、うちきてからも。全然気づかないもんだねー」

私は笑った。と同時に、裕の話には少しホッとしてしまっていた。

その理由はひとつではない……。

裕の言葉は少し信じられるな、と思ったのと、今裕に特定の彼女がいない、ということは、とりあえず裕側に傷つけてしまいそうな人がいない、ということだ。

「あー、俺も早く彼女ほしいのぉー。早うせんとすぐ夏じゃー」

と拓がつぶやいた。
/ 143ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp