第5章 Season 1 ふたり目
「んじゃー次ー。俺と裕とどっちが……」
「それは、無理っ。言えないっ」
どっちが、なんて言っちゃいけない気がして、紘の言葉にかぶさるように言うと、
「そ?これでも?」
紘は再び私のなかに一気に入ってくる。
さっきとはまったく違う刺激に、私の身体はいうことをきいてくれそうになかった。
目の前がチカチカする。
「!!!!」
「……よし、俺のほうがよかったってことにしといてやる」
あと、何があったっけ?と悩みながら、私の腰を掴み、前後に揺らしてきた。
「ぅぅっ……」
あまりにも後ろからの刺激が気持ちよくて、声が出てしまいそうだったから、口に自分の腕を押し付けて声を抑えた。
「あーそうだ。治さんとのエッチでイッたことある?」
「……わっかんない」
「わかんなくないだろ?」
「……な……い」
「へー、イかなくても子供って出来んだなー。じゃー治さんの前の彼氏とは?」
「ぅぅぅぅう……ぁっ」
「ちょっと!まだイったらだめ!」
小さな痙攣を始めた私をぎゅっと押さえつけた。
「でもあれかー。イクって感覚がわかってるってことは、やっぱり一回はどっかでイッたことあるってことだよな……。前の彼氏、か昨日の裕……」
「……んねぇ、紘は、今ちゃんと気持ちいい?」
紘が動きをやめて何か考えている隙に、私も聞きたかったことを聞いてみた。
さっきからずっと私ばかりが気持ちよくしてもらっている気がして、急に不安になったのだ。
「ん?大丈夫、ちゃんと気持ちいいよ。慧はそんなこと気にしなくていいの」
私の頭をがしがしと撫でてくれた。
「つか、男は一方的にどうにでもできるんだから。問題はお前。慧がちゃんとよくなってくんなきゃ俺は役目を果たせてないことになる」
心配しなくても、お前はちゃんと気持ちよくなっててくれるみたいだけど、と続けた。
「じゃぁ、治さんと一晩で、何回したことある?」
「……」
「質問には答えましょう」
またゆるゆると律動を始める紘。
「ふぅっ……。いっっか……ぃ」
「一回だけ?」
「……ん……」
「よし、じゃあ今日は俺がその記録を抜いてやんよ」
結構簡単に記録更新だな、と動きを早めた。
「もう、イキたくなったらイッていいからね」