第1章 Season 1 同居人
それから、なんだかあっという間に話はまとまり、裕と拓がうちに転がり込んできた。
ふたりとも私よりは2つ3つ若い男の子で、はじめはそりゃ戸惑ったのを覚えている。
裕は、見た目からすごく優しそうな男の子。
面倒見だってよさそうだ。
それから拓は、細身の長身で、黙ってればそれなりの男の子だった。
おしゃれなのか近視なのか知らないけど黒縁のめがねをかけてる。
それがとても魅力的だった。
だけど、ふたりとも、男の子。
でも、だいたい外面のいい治さんは、今結構切羽詰まってる状況だったし、家のローンが軽くなるんなら悪い話じゃないってあっさり承諾しちゃって、はじめの祥さんの話から2週間足らずで、我が家の人数は増える事になったのだった。
簡単なルールとして、キッチンとそれに併設してる1階のリビングは一応共用のスペース。
二階のはあえてシステムキッチンみたいな立派なものにせず、とりあえずお湯が沸かせればいいや、程度の簡単なものだったから。
食事くらいはみんなで一緒にとりましょうというのが建てたときの計画だったのだから仕方がない。
二階にも一応リビングのようなものがあるから、一階は食堂のようなものかもしれない。
掃除は各々の部屋は個人に任せ、二階の風呂、トイレ、リビングまでは私がすることになった。
あとは、仕事が休みだったりして、家にいるときに暇だったりしたら子供の世話や家事の補佐なんかをして私を助けるという簡単な決まりごとができた。
私としてはやる事が増えたのか減ったのかはわからないけど、元々人の面倒みるのがそんなに嫌いじゃなかったから、大家さん兼寮母さん的ポジションがそんなに苦痛ではなかった。