第4章 Season 1 きっかけ
「ちょっと、スキンシップを増やしたり、とか、お風呂についてったり、とか……。セクシーな下着つけてみたり、高校のときの制服着てみたり……」
たんだん最後のほうは声が小さくなってしまう。
恥ずかしすぎる!!!!
何正直に話しちゃってるの!?私馬鹿だ、と言いながら思った。
「なにそれ!?超可愛いじゃん!!」
「確かに。それは、完全にノックアウトだよね」
「セクシー下着見てぇー」
「俺制服ー」
紘と裕は、勝手に盛り上がり始めた。
「何回くらいそういうことやってみた?」
「数えてないデスけど、わりと……?」
うーん。問題アリね。と順さんはあごに手を当てて考える風なそぶりをした。
私は持っている缶に残っているビールを一気に煽る。
ここまていったらもう隠してもしょうがないし聞かれたら答えよう。
でもそうするには私の中の理性をもう少し機能させないようにしないと無理だと思い、置いてあったブランデーに手を伸ばした。
「慧さん?」
「大丈夫。順さんに責任とってもらうから」
心配そうに声をかけてくれる裕にそう言うと私はブランデーをグラスに注ぎ、コーラで割った。
「ふつーさぁ、女の子の方からエッチしたいって言われたりそういうオーラ出されたら、男は二つ返事でオッケーしない?」
紘がなんか納得いかないという表情で言った。
「そうなのよ。普通はね。あたしだって、慧ちゃんみたいな子に言われたら、すぐにでも押し倒しちゃうわよ」
しゃべり方はこんなだけど、順さんは別に男の子が好きなわけではない。
「確かにそうだよねー。断る理由なんてないもん」
と裕も話を合わせてきた。
「それでよ、慧ちゃん。ここにいる男どもがみんなそう言うのに、慧ちゃんからの誘いを断る旦那さんってなんなのかしら?」
「しりません。見てのとーり、私可愛げのない女ですからね。たぶん、どこか他に可愛い子でもいるんじゃないですか?」
ブランデーのコーラ割をわりと早いピッチで呑みながら私は返した。
「あらあら。じゃあ逆に拒んだことは?」
「たぶん、ないです。生理だったりじゃなかったら……」
「えらいわねぇ。妻の鑑ね、慧ちゃん。まぁ、男のほうは、断られてなんぼな部分もあるけどね?」
順さんの言葉に紘と裕が頷く。そんなもんなのかな?