第13章 Season 2 新生活
その夜、私の離婚パーティーがなぜだか盛大に行われ、仕事上がりの順さんも駆けつけて、子供たちが寝たあとにはすっかり酒盛り状態だった。
紘が私の肩を抱き寄せながら、
「慧~気持ちが落ち着いたら次は俺の嫁さんになれよぉ?」
と大声で言い、それを聞いた裕の表情が引きつった。
それを見た順さんが、
「あらやだ。裕ったら慧ちゃんのことほんとに好きなのね。ヤキモチ妬いちゃって」
と笑った。そんな順さんに、
「言っとくけど、慧さんに惚れてるのは裕たんだけじゃないからね」
翼が釘を差した。
酔って少し目が据わっているように見えた。
「知ってるわよ。あんたも慧ちゃんが好きなんでしょ」
「……僕、慧さんとなら克服できそうな気がする」
ぼそりと言った翼に、
「実は俺もそう思っちょった」
と拓。
「だからさ、みんなが慧ちゃんの彼氏ってことにしようや」
祥さんが酔って赤い顔をして言った。
「共有ってこと?」
裕が聞き返し、
「六股ってことじゃない?」
と私が自虐的に言うと、
「ははっ、六股結構じゃねぇか。ペナントレースみてぇ」
紘が私の頬に唇を当てて舐めた。
「やっ!馬鹿!」
「俺が一位?」
肩を抱いたまま目を細める紘に、
「何をもって一位と言う気だよ!?」
裕が割り込んで引き剥がした。
「んー……イかせた回数?」
「それなら俺だねっ」
裕が言った直後、
「俺かもよ?」
と祥さん。案の定一瞬で裕の表情が凍りついた。
「はぁ?どういうこと?」
喰ってかかる裕に祥さんはニヤリと笑い、そして裕の耳元で、私にも聞こえるように、
「慧ちゃん最高だった」
と囁いた。
「!!!」
「まぁしょうがないっちゃ裕。そればっかりは裕ひとりで慧さんと寧々ちゃんたち養っていけん限り文句は言えんじゃろ?」
「~~~~」
拓の正論に悔しそうに顔を歪めた。