• テキストサイズ

私と彼らの生活

第13章 Season 2 新生活


離婚の感傷に浸る間もなく、またバタバタとしてしまいそうだな、と苦笑いをするしかなかった。

「順は……和室でいいよね、じじぃだし」

「ちょ、え?じじぃって」

「いいのいいの。慧ちゃんの部屋の隣だって言ったら文句はないだろよ」

リビングに入っても、右手は祥さんと繋がったままで。

「祥さん、お昼は?」

「ん?まだ、だけど」

「何か作りましょうか?」

荷物を置いて祥さんの手から離れようとした私の手を強く握り引き寄せられた。

「逃げようと、してる?」

祥さんが耳元で囁いた。

「え?あの」

その一言の裏を読んでしまい一気に頬に熱が集まり、鼓動が早くなった。

「ご飯さ、もう少し後でいいから」

そう言って祥さんは私の髪をよけて首筋に唇を寄せてきた。

「あのっ」

「離婚したらすぐおいでって言ったよね」

祥さんの手が私のカットソーの上を這い、裾から侵入してきた。

「祥さん!!」

「手付け金」

「金って何ですか?」

「ん?変か?」

避けようとする私の腰に腕を回して唇を吸われた。

「んっ……」

「夜まで待ってほかの手の早いやつに持ってかれるのは癪だからね」

祥さんと目が合った。

「待って!私なんかとしなくても祥さんは……」

「何?俺は外に彼女はいらないの。面倒じゃない。逢いに来いだの、あれが欲しいだのいろいろ言われて」

祥さんの言葉に少し胸が痛んだ。

「その点、慧ちゃんはわがまま言わないし、常識あるし?」

「……私だってわがまま言いますし、常識ないことばっかりですよ」

震えそうな声で言い返すと、

「いいよ?慧ちゃんのわがままなら聞いてあげる」

祥さんの指がブラに引っかかった。

「……っ」

「観念しなさい」

先端を二本の指でひねられた。

「あっっ」

「どこでする?ここ?慧ちゃんのベッド?俺の部屋?」

答えないんなら俺が決めるよ、と祥さん。何も言わずにいると、祥さんに抱き上げられた。

「俺もう歳だからちゃんとしたとこがいいんだよね」

そう言ってリビングを出て私の寝室に向かった。

多分今日私がいない間に部屋を確認してあるんだろう。

迷いはない。
/ 143ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp