第10章 Season 1 衝動
少しの間。
「……誰?」
「私」
「入って、いいよ」
眠たそうな裕の声が入室を許可してくれ、私はノブを回した。
「どうしたの?」
ベッドの上に身体を起こして座ってる裕が私に聞く。私はふわふわした足取りで裕の目の前まで行ってパジャマのボタンに手を掛けた。
「えっち、したい」
薄暗い中でわずかに見える裕の表情が変わった。
「慧、さん?」
「裕が欲しい」
戸惑ったような裕の目の前。パジャマのボタンを全て外し終えたところで、裕に腕を引っ張られ、裕の胸に倒れこんでしまった。
「いいの?」
最近の妙な距離感からそう聞いてくるのだろう。
「うん」
「慧さん、俺のこと避けてるんだと思ってた」
「避けてない」
「だってさ」
ちょっとむくれたような声を出す裕。
「こないだから慧さん俺の目、見てくれてないんだもん」
「……そう、かな。ごめん」
裕の手が私の背中を撫でるたびに、ゾクゾクと肌が粟立つ。
早く、どうにかして欲しい。
そう思った私は顔を上げて裕の唇に吸い付いた。
そのまま裕をベッドに押し倒し上に乗っかる形になった。
私からこんな風にキスをしたのは初めてかもしれない。
キスをしたまま裕の身体に手を這わせて着ているものを脱がせた。
だいぶ暖かくなってきたから、上はTシャツ一枚しか着ていないようだ。
「なんかあったの?」
「知らない。早く欲しいだけ」
裕の乳首に舌を這わせると、裕の身体が強張った。
それでもお構いなしに私は裕の身体を舐め回した。
穿いているものを脱がせて、血が集まり始めてる部分に手を添え、
「慧さん、それ、は……」
「黙って」
口をあけてそこにしゃぶりついた。
今まで生きてきた中で、こんな事したことない。
したことないけど、するなんてどうかしてるって思ってたけど、今はそこを口に含みたくて、舐めたくてたまらなかった。
どうするのが正しいのか判らないまま、手を沿え、何度も口の中を往復させる。
どんどん口の中で大きくなっていくのが確認できた。
少し口を離した瞬間、裕が身体を起こした。
「やられっぱなしで済むと思う?」
そう言うと、私の腕を引いてベッドに沈め、入れ替わるように私の身体の上にまたがり私の身体を愛撫し始めた。