第10章 Season 1 衝動
「あーそれだ。慧さん、薬盛られたんだわ」
「くす、り?」
だめイクと身体を震わせる私に、
「うん。あの人そういうの好きだから。面白がってんだよ」
でもだとしたらいろいろ納得がいく。
脚がふらつき始めたのも、急に翼に触りたくなったのも。
「でも俺は大歓迎。おかげで慧さんが俺のとこまたきてくれたから」
なかに出してもいい?と裕が聞き、頷いた私のなかに解放する。
荒い呼吸をしながら裕の頬を撫でた。
「どう?火照りは収まった?」
「うん……ありがと」
「ごめんね、慧さん悩ませるようなことばっかり言って」
裕が私の身体に体重をかける。
「ううん、私こそ気まずくしてごめん」
「でもこれで仲直りね。俺もヤキモチ妬かないようにがんばるから」
裕がキスをくれ、それからベッド脇の棚に手を伸ばしてティッシュを何枚か引き抜いた。
「なか出しするとこれが面倒」
私の腰を少し浮かさせてその下にティッシュを滑り込ませた。
「……あっんぅ」
裕が私のなかから抜け出る感覚に思わず声が漏れた。
その後裕が放った精液が流れ出るのがわかる。
「セックスって気持ちよくて幸せで仕方ないのに後が面倒なんだよね」
また数枚ティッシュを引き抜いてきて私の性器の周りをふき取った。
なんだか妙な恥ずかしさでいっぱいになった。
「じゃあ次からはつけてする?」
恐る恐る問うと、
「すっごい気持ちよくて幸せだったから、後が面倒でもつけずにしたい」
ダメかな?と聞く裕にもちろん逆らえるわけなく、私は目を伏せた。
そんな私に、
「ねぇ、朝までここにいない?」
と裕。
正直いつも私が起きなきゃなんない時間までそう沢山時間があるわけじゃなかったけど、私は首を横に振った。
「ごめん、ちゃんと下で何もなかったように寝ておかないと」
本当はここにいたいよ?というニュアンスを含ませながら返す。
「そか。そうだよね。ごめん、引き止めて。俺も、もうちょっと寝るよ。きてくれてありがとう」
「うん。私も付き合ってもらって、感謝してる」
心地よい気だるさの残る身体を無理矢理起こして、着てきたパジャマを羽織った。
ボタンを全部留め終え、下着とズボンも穿いて、私は裕の部屋を後にした。