第8章 Season 1 ジェラシー
紘の温かい胸に顔をあずけて、気持ちを落ち着かせてると、紘が私を組み敷くようにごろっと身体の位置を変えた。
「でも、慧が一人で気持ちよくなっちゃって終わったから、俺はものたりねぇ」
そう言うと、今度は私の膝を曲げ、屈曲位で腰を動かし始めた。さっき昇り詰めたばかりの私は、また強い刺激に身体を震わせた。
「もー、慧、お前一体今だけで何回イッたよ?」
紘があきれたような声を出した。
「ご……めん」
責められたような気がして、声まで震えてしまうと、
「あー、もう。また落ち込む。そうじゃないっての。……なぁ、もう一回くらい、イケる?俺のこと受け止められる?」
「……ん。大丈夫」
そう言うと紘はまた律動を始めた。
今度は紘よりも先にイってしまわないように、歯を食いしばった。
「はぁっ……。慧、すっげぇ締まってきて気持ちいい」
そう言われて、私は意識がまた飛びそうになった。
「なぁ慧。俺、もう治さんにお前のこと返したくない。だから、もしまた治さんに抱かれるようなことがあったら、俺に言えよ?今度は俺がすぐに上書きすっから」
苦しそうにそう言うと、紘は、私のなかに吐き出した。
紘を受け止めながら、私は紘の言った言葉の意味を考えていた。
「慧、ごめん、キスしたい」
紘はそう言うと、私の膝を戻し、ぎゅっと抱きしめると力の抜けた私にキスをしてきた。
キスはしないんじゃなかったっけ?と思いながらも、紘のキスに身を委ねてしまう。
まだ、紘はなかに入ったままだ。
「ちょ、慧」
「何?」
「お前、やっぱりキスでかなり感じるんだな」
唇を離して、紘はそう言い、
「俺、お前のなかでまた締められて、元気になりそう」
笑った。
「そういえばまだ記録更新してなかったよな。二回戦、いってもいい?」
「……ぅん」
そう言うとまた紘は私の唇に吸い付いてきた。