第6章 その手で守って激しく癒して
体に何かが入る感覚。
投げられた空の注射器を見ていたら、心臓が物凄い衝撃で跳ねた。
「ひっ、あっ、や……ぁ……」
「あー……そうそう、それだよ。その顔……やべぇ、マジでたまんねぇ……」
熱く昂ったソレがゆっくりと、自分の中に入ってくる感覚。
嫌で、気持ち悪くて、吐きそうになるのに、体は全く逆の反応を見せるかのように、快感を走らせた。
「あああぁあぁっ! ぃ、ぁ……ぁ……」
「ぅあっ……くっ……すっげぇ、頭溶けるわ……」
体が痙攣して、ありえないくらい気持ちよくて、何度も達して、締め付ける。
「すぐ出ちまうわ、これっ……あー、やべぇ、マジで飛ぶっ……」
「やらぁ……ひっ、ぃいっ、あっ、んあぁ、らめっ、らめぇ……これ、やぁ……」
思考はほとんど働かず、嫌だと思うのに、腰は止まってくれなくて、狂ったように腰を振る。
「あーあ、これでもう左馬刻さんのとこには戻れないね……可哀想ー。でも安心して、彼には私がいるからさぁ」
楽しそうに、無邪気に笑った女性。
突然、息がしにくくなる。
首を、締められている。
「これやるとさぁ……中がめっちゃ締まって、もっと気持ちよくなるんだぜ……お前も、もうたまんねぇだろ……ん?」
「かっ……はっ、ぁ……」
「そう、その顔だよ……お前マジで最高っ……」
どんどん締まる首に、苦しさと快感の両方で攻め立てられ、訳が分からなくなる。
頭が、真っ白だ。
もう、何も考えられない。
夢中でもっとと言うかのように、腰を振っている事も、無意識にしている行動で、自分では理解していない。
まるで、頭と体がバラバラになった気分だ。
そして、自分の中の彼のモノが突然抜き取られた。
遠くで、声がする。怒声と男女の悲鳴。そして、これは、サイレンだろうか。
「っ!!」
ああ、この声は、私がずっと求めていて、体中が安心と癒しで包まれる声だ。
答えたいのに、答えられない。
「いやっ、いやぁあぁっ、ほしっ、もっとっ、欲しいっ、ああぁっ、気持ちぃのっ、ほしっ……」
反乱狂にやりながら、髪を掻きむしる私を、何かが包み込む。
「大丈夫だっ、大丈夫だっ、っ……」
叫んで暴れて、左馬刻さんに縋り付く。