• テキストサイズ

救済の手は温かい【ヒプマイ夢】〘理鶯夢〙

第1章 出会いは貴方が仕掛けた罠





あの優しくて、大きくて、温かい手が私に触れる。

もう、無理だ。

「泣く程嫌なら、何故抵抗しない」

泣いて言葉にならない私の体を支える様に抱き起こし、理鶯さんの綺麗な目が私を見つめる。

この涙は、嫌だから出てるものじゃないのに、言葉にならない。

ただ、理鶯さんに縋り付くしか、出来なかった。

そんな私を、理鶯さんはやっぱり優しく撫でてくれて。

たまらなくなって、嗚咽に混じって、必死で言葉にする。

「り、お……助け、てっ……私っ、生きたいっ!」

理鶯さんからしたら、意味が分からないだろう。でも、私は彼に縋って、泣くしか方法を思いつかなかった。

「好きっ……り、ぉ、さっ……ひっ……理鶯っ……一緒に、いたいっ……」

泣きじゃくる私を、理鶯さんは強く、そして優しく抱きしめた。

そのまま横抱きにされ、私は用意されていた車に乗せられた。

何故か、理鶯さんの膝の上に横向きに座らされたまま。

まるで、宝物みたいに包まれて、私は意識を手放した。

その一瞬、頭にキスが降った気がした。






/ 16ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp