第2章 貴方の優しい全てに包まれて(その後)
一緒にいると、どんどん好きになって行く。
すっかり沼だ。
理鶯さんがいないと、もう私は立ってすらいられないくらいには、夢中だ。
日が落ち始め、火の準備を始める理鶯さんを手伝い、薪を持つ。
理鶯さんに足元に気をつけろと言われていたのに、案の定私は蹴躓いた。
「おっと……大丈夫か?」
「あ、すみませんっ……」
近くに理鶯さんの顔があって、つい意識してしまう。
理鶯さんの指が頬を撫でる。
「そんな誘うような顔をするな」
理鶯さんの、綺麗な目が細められ、瞳が揺れる。
「……」
「理鶯……さ……ンんっ……」
私の言葉は、理鶯さんの唇に吸い込まれた。
口内を愛撫する理鶯さんの熱い舌に、体がもっとと求める。
理鶯さんの首に腕を絡めると、あっという間に抱き上げられる。
背が高い理鶯さんに抱っこされる形で、甘いキスは続く。
テントに滑り込み、寝かされた私に覆い被さる理鶯さんの目が、いつもの優しいソレから、熱く滾る獣のようにギラギラしている。
まるで、本当に獣に狙われた獲物のような気持ちで、体をぶるりと震わせる。
「怖いか?」
「理鶯さんだから……怖くない……」
唇に指を這わせ、聞いた理鶯さんに笑って答える。
貴方になら、何をされてもきっと大丈夫。
激しく、噛み付くみたいなキスに応えるように理鶯さんにしがみつく。
理鶯さんの大きな手が、私の胸を包み込む。
「あっ……ン……」
服の上から揉みしだかれ、体を捩る。
足を撫でて、スカートからその手が入ってくる。
もどかしくて、服を自ら脱ぐ。
理鶯さんも上の服を脱ぎ、お互いの肌が露になる。
さすが軍人さんだ。鍛えられ、綺麗に付いた筋肉に見惚れてしまう。
理鶯さんの体にそっと触れる。
男の人の肌をこんなにしっかり観察するのは、初めてだ。
「どうした? そんなに男の体が珍しいのか? 確かには、婚約者がいたはず」
「よく考えたら、あの人とはこんなに落ち着いてスる事、なかったから……」
今思い返せば、正直彼との行為は、彼のシたい時にする、一方通行なモノで、お世辞にも気持ちのいいものとは言えなかった。