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救済の手は温かい【ヒプマイ夢】〘理鶯夢〙

第2章 貴方の優しい全てに包まれて(その後)





ということは、理鶯さんのあの個性的な料理が、平気で食べられる人なのだろう。

理鶯さんを待っている間、有栖川さんと他愛のない話をする。

有栖川さんは凄く明るくて、本当に楽しそうに話をする。

友人の事を話す有栖川さんの様子に、私も楽しくなって笑う。

「待たせたな。さぁ、好きなだけ食べるといい」

「おっ! あざっスっ!」

しっかり手を合わせていただきますを丁寧にする有栖川さんからは、育ちの良さを感じた。

理鶯さんもフッと笑みを零す。

凄く美味しそうに食べる有栖川さんを見ながら、私まで嬉しくなる。

本当に理鶯さんは凄い。みんなを笑顔にして、あっという間に幸せな気持ちにさせる。

こんな素敵な人が、私を好きだと言ってくれる事が、どれだけありがたい事か。

ニヤニヤしてしまいそうになる顔を、両手で包み込むと、有栖川さんから感じたものではない、視線を感じる。

隣にいる理鶯さんを、見上げる。

視線がぶつかる。目を細めて優しく笑う理鶯さんに、また胸が跳ねた。

「あまり帝統にばかり、楽しそうな顔を見せるな。妬けてしまう」

耳元で、重低音な声が囁かれ、脳がビリビリする。

そんな甘く囁かないで欲しい。体が熱くなるから。

「いやらしい顔になっているな。そんな顔は、もっと困る」

耳に口づけられ、漏れそうになる声を有栖川さんに気づかれないよう、必死で抑える。

そうこうしている間に、食べ終えた有栖川さんがコーヒーを啜りながら、一息吐いていた。

「はー、ご馳走様でしたっ! ふぅ、理鶯さん、助かりました。ありがとうございますっ!」

「ああ、またいつでも来るといい」

泊まる場所は決まっているらしく、挨拶を済ませて有栖川さんは颯爽と去っていった。

「賑やかで、楽しい人ですね」

「ああ、そうだな。来る度に興味深い話を聞かせてもらっている」

また、優しい顔。

堅物なイメージだった理鶯さんは、意外に表情豊かで、人間味がある。

ほんとに、魅力の塊。

気づけば昼が過ぎていて、理鶯さんと森を歩いたり、川で座りながら話したり、充実していた。

途中何度か理鶯さんの元に、通信が入って忙しそうではあったのに、それでも理鶯さんは私に構ってくれる。






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