第3章 突撃訪問
「え!?何、そんな誤解してたの!!?チョコ貰って嬉しくないなんて有り得ないでしょ!そりゃ本命ならもっと嬉しいけどさ、バレンタインに何も貰えないって結構辛いからね!?」
ましてや、炭治郎と伊之助は貰ってる中自分だけが貰えないし。と涙目になる善逸。それは確かにキツいかも 、と華は納得する。
「今日だって華ちゃんも麻衣ちゃんも炭治郎と伊之助には学校で配ってたし。しかも俺も食べたいなって思ってたやつだし結構傷付いたんだけど!」
「誤解を招いたのは本当ごめん。でも一緒に渡す訳にはいかなかったの」
炭治郎達は勿論義理だ。教室で渡したら善逸だけ中身が違うことがバレてしまうことを考えて別に渡そうと思っていたら傷付けてしまった。華は素直に謝るとチョコを善逸に差し出した。
「一緒に渡す訳にはいかないって...あれ?これ伊之助食べて無かったような...」
「中身が違うの。オレンジの他にレモンでも作れるってレシピにあったから、これは我妻君用だなって思って。我妻君の髪色とか元気くれるところとかイメージにピッタリだよね」
「...いつも俺に興味無さそうだったから忘れたんだって思ってたんだけど」
その点も華が解かなければならない問題だった。興味が無かったというより、そもそも自分の気持ちに気付いて無かっただけなんだと。
「この前、言葉にしなくちゃ本当の所は分かんないって麻衣から言われてハッとしたんだ。いつも我妻君は興味ないのかって聞いて確認してくれていたのにきちんと返答したことなかったなって」
「自覚あったの!?なのにスルーとか酷くない!?」
ぎゃん!と叫ばれ華はごめん、と謝るしかない。自分の行動で善逸に誤解を与えていたと分かった以上自分が悪いのは間違いないのだ。
「興味が有るとか無いとかって話で言えば有ったよ、炭治郎君や嘴平君と同じで友達だったし。けど最近そうじゃないなって思ったの」
「友達からもリストラされんの俺!?」
悉く華が話そうとする道から外れた予想をする善逸。寧ろ面白くなってきてしまうが、これにノると会話に収拾がつかなくなることは目に見えてるので華は「そうじゃないよ」と頭を横に振る。
「え?どういうこと?」