第2章 好きな人とは
「ねぇ華。もしかしたら我妻君、チョコ貰えるからって本命かもって勘違いしてるんじゃない?」
「…この前、麻衣言ってたじゃない。ビタミンカラーの話」
麻衣は自分の話がスルーされた上に予想だにしていなかった話題が湧いてきて目をパチパチと瞬かせた。
「なんだっけ。好きになったのはどっちが先かって話?」
「…絶妙に合ってるようなずれてるような。それでさっき思い出したんだよね、なんでビタミンカラーのものを集め始めたのか」
「さっき?…我妻君をガン無視してた時か」
「え?」
なんでもない、と手を振られ華は怪訝な表情をしながらも話を続ける。
麻衣は華の行動や言動が少し不思議だった。賑やかと五月蠅さは似て非なる、前者であれば好ましくも思うが後者は嫌われることも多い、麻衣が思うに…いや、女子の大半は後者だと感じている、そうあの我妻善逸に関しては。
「我妻君と初めて会ったとき、金髪が凄く綺麗で思わず目が留まったんだよね。それでいて意外と常識的な部分もあったり笑顔が可愛かったり。普段は泣き叫んでばかりで変な子だなとは思うけどね」
「は?ビタミンカラーの話はどこ行ったの?」
コロコロと変わる話題に麻衣は頭が混乱してくる。何なんだろうか、この脈絡もない会話は。
頭痛がしてきそうで頭を押さえていた麻衣はそこではたと気付き、まさか…と呟いて華をじっと見つめる。
「嘘でしょ…まさかあの我妻君がきっかけでビタミンカラーのもの集めてるの?」
「うん、そうみたい」
すっきりした、とでもいいたげな表情で紅茶を飲んでいる華に麻衣はさらに混乱する。
柑橘系が好き、から金髪の善逸を見てビタミンカラーのものを集め始めるという繋がりがすでに意味不明状態なのだ。それなのに当の本人は一件落着ばりに清々しい表情をしていて、麻衣はもしかして自分がおかしいのか?と疑心暗鬼になる。しかし、確認しておかないときっと自分は今日眠れないだろうと意を決して麻衣は口を開いた。