第5章 ─ わすれじの ─
どうにか持ち堪えいると会話が終わり、東海林様は機嫌よく会場の中へと入っていった。
「。東海林様の娘さんのことよく知っていたね」
「ふふふ。噂好きのご婦人方から聞いたのです」
「お陰で機嫌が良くて助かったよ。今度、と娘さんを会わせたいと言っていて返事をしてしまったのだけど、よかったかい?」
「もちろん。旦那様のお役に立てるのであれば喜んで」
ああ!良かった!
旦那様が喜んでくれて、一気に気持ちが楽になった。
「それにしても、がここまで出来る子だとは思わなかったよ。私の知らないところで頑張ったのだね」
「そんなの、当たり前のことですよ」
そう私は、旦那様の為ならどんなことだって、頑張れるのです。