第4章 ─ いまはただ ─
河原に着くとは思った以上に喜び、駆け出して地面に座り込んだ。
には太陽と花が良く似合う。
私が声を掛けると、はいつものあの素直な目で、微笑んだ。
には、いつまでも笑っていて欲しい。
そして風車を渡せば、何かが彼女の心の奥に触れたらしく、ようやく吐き出すように父親へと複雑な思いを口にした。
泣きながら、自分のせいで両親は不幸になったという。
自分は愛されていないのだと……。
けれど、それは寂しさからの悲しい叫びだと、胸が痛いほどに伝わってくる。
もう苦しまなくていい
もう我慢しなくていい
救いの言葉を探すよりも、小さく蹲り震える身体を抱き締めたくなった。
が泣き止むまで傍にいて、背中や頭を撫で続ける。
しばらくして、顔を上げたはどこかすっきりとした顔をしていたのでホッと胸を撫で下ろす。
慰める為につい抱き締めてしまった身体を離して、の隣に腰を下ろした。
泣きすぎて赤くなった目元を隠すためだろう、顔に手を当てたは、突然私の方を見つめ──
「旦那様は好きです!誰にも譲れません!」