第2章 ─ こいすてふ ─
感動でうわわわわと気分が上がる。
昨夜、うちの子だよ。と言われてすごく嬉しかったけど、優しい時任さんのことだから気を使ったのかもしれないと少し不安だった。
だけど第三者から〝限られた身内しかいけない場へと連れて行く〟と言われれば現実味がぐっと増した。
緩みそうになる顔をキリッと引き締める。
うん!元から頑張るつもりだったけど、さらにやる気が湧いてきた!
「私、時任さんの隣に立っても恥ずかしくない女性になります!」
そう、つまりはこれに尽きる!
その為ならばどんな細やかな所作や、分厚い貴族年表だって全て完璧に覚えてあげるんだから!