第6章 ─ ちぎりきな ─
少し迷って、胸の前で手を握りギュッと力を込める。
「では……私に、旦那様の残りの人生を全部ください。それなら、最後まで私を離さずに傍に置いておけますよ?」
照れ笑いを浮かべながらそう言うと、旦那様は覗き込んでいた目元を柔らかく細めた。
「ははっ、そうきたかぁ」
「駄目ですか?」
「………いいよ。に全部あげる」
吐息混じりにそう呟いて、顔が近づいてくる。
あ…と思った時には、口付けされていた。
突然のことに戸惑いつつも、嬉しさが込み上げてくる。
だって、こういうことがしたかったんだもん!
思ってたよりも柔らかい……なんてことを思ったいたら、急に恥ずかしくなってきた。
最後は唇を噛むようにして離れた唇に、ふはっと息を吐く。
嬉しい…けど、もう少し……。
「…………あの、お終いですか?」
吐息混じりに呟くと、腰に伸びた手が私の身体をグッと引き寄せた。