• テキストサイズ

*喋よ花よ*-大正色恋浪漫-

第6章 ─ ちぎりきな ─



少し迷って、胸の前で手を握りギュッと力を込める。


「では……私に、旦那様の残りの人生を全部ください。それなら、最後まで私を離さずに傍に置いておけますよ?」


照れ笑いを浮かべながらそう言うと、旦那様は覗き込んでいた目元を柔らかく細めた。


「ははっ、そうきたかぁ」

「駄目ですか?」

「………いいよ。に全部あげる」


吐息混じりにそう呟いて、顔が近づいてくる。

あ…と思った時には、口付けされていた。

突然のことに戸惑いつつも、嬉しさが込み上げてくる。

だって、こういうことがしたかったんだもん!

思ってたよりも柔らかい……なんてことを思ったいたら、急に恥ずかしくなってきた。

最後は唇を噛むようにして離れた唇に、ふはっと息を吐く。

嬉しい…けど、もう少し……。


「…………あの、お終いですか?」


吐息混じりに呟くと、腰に伸びた手が私の身体をグッと引き寄せた。





/ 132ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp