第1章 序章
樹「…。別に同じ学校だし、後日学校で顔合わせて気まずくなりたくねーしな」
まぁ、会ったとしても覚えているかどうかだけどな
樹「じゃーな。気を付けて帰れよー」
俺は相手の顔も見ずにその場から立ち去った。
~翌日~
母「樹!早く起きなさい!来年の進路の為に勉強しなくてもいいから、登校しておきなさい!」
樹「うるせーなー…」
そう言って母親に叩き起こされ学校の準備をして家を出た。
陽「珍しいね。2日続けて登校してくるなんて」
樹「うるせー。ばばあが来年の進路の為に登校だけはしろって叩き起こしてきやがった」
緋「まぁ、美香さんの言いたいことはわかるよ。うんうん。」
樹「お前は俺のなんだよ」
適当なやり取りをしながら、俺は自分の席に着いた。
そして、自分の机の中にふと目をやると…
樹「なんだこれ」
机の中には丁寧にラッピングされた袋が入っていた。
陽「そういえば、俺が来たときにはその袋入っていたな」
緋「え!?樹宛!?何々、告白!?」
なんか適当なことを言っている緋色は置いといて中身を確認する
樹「…手作り菓子?」
何かメモみたいなのが入っている…
陽「昨日は助けてくださりありがとうございました?何、樹人助けでもしたの?」
人助け…
樹「あぁ!昨日の駅前のやつからか」
緋「なになになに!?樹が人助け!?そのラッピングの仕方的に女の子でしょ、それ!」
樹「まぁ、女だったけど…」
何こいつめっちゃ絡んでくるじゃん…
樹「引くわー…」
緋「うるせ!」
たかが女を助けたぐらいで騒いでんじゃねーよ…
陽「何をしてあげたんだ?」
樹「んぁ、駅前で男二人に絡まれている俺らと同じ制服を着た女子を助けただけ」
緋「なにそれ!?めっちゃおいしいところをじゃん!」
陽「もうお前は一旦黙っとけ。で?その子は学校で見たことある子か?」
んー…
樹「女の顔なんて覚えてねーし。だけど見覚えはねーな」
陽「なら一年とかの可能性があるな」
樹「かもな」
昨日についての取り調べをしてる最中に始業の鐘が鳴った。