第1章 序章
~紗羅目線~
どうも、私クッッッッッソ地味な印象を回りにさらけ出している伊吹 沙羅と申す者。
この度、高校2年生に無事進級できホッとしている反面、仲の良い友達(友達と書いて同士と読む)とクラスが離れ離れになったショックで周囲についての脳内処理が遅れている最中である。
3組か…。
友達は5組だったため3組の前で別れて私は自分のクラスに足を踏み入れた。そしてクラス内の面々を確認することもオタクとして大切なのだ。
それはなぜかって??
オタクの苦手とするギャルやヤンキーに変に絡まれたくないからと自分の同士がいるか確認する為である。
……ふむふむ。
このクラス内にも私と同じ雰囲気を醸し出している方は何人かいるが、オタクとしてどう動くべきか。いきなり声をかけるのはオタクが怖がるためご法度である。
とりあえず席が隣とかになった際にでも仲良くなれないかなと今からクラス内でも友達作ろう計画を立てなければ…。
そして黒板に貼ってある席順表を確認をする。
私の前は井岡くん?で、隣が玖島くん?
はて、玖島くんはどこかで聞いた名前だなと思いながら自分の席に着いた。
ガラッ
緋「樹じゃーん!今年も俺ら一緒だぜ☆よろぴく☆」
樹「…誰だ、変質者を学校に入れたやつは」
陽「あ。俺だわ」
と決してガラが良いわけでもないクラスメイト?が私のクラスの入り口付近で話をしている。
…………。
……………ん?
待って。
今名前なんて言った?
樹くんってさっき席順表で見た玖島くんの名前も樹って名前だった気がする。
お願い人違いであって欲しい!!
なんて思っているうちに、樹と呼ばれた男子生徒が黒板の席順表を確認している。
緋「樹の場所は、伊吹さんという子の隣で俺の斜め後ろ~」
ハイ。オワタ。
何が悲しくて決してガラが良いと言い難い方々の近くで次の席替えまで勉学に励まないといけないのか。
こちとらただえさえ、友達と離れ離れになったのに、追い打ちをかけるみたいにこの仕打ちとは!
神様恨むぞ!
と脳内のみでいろいろ処理をしているうちに、玖島くんとやらが私の隣の席についた。
樹「お前が伊吹さん?」
伊「ひぃ!(ビクッ)そ、そうです…」
樹「誰もとって食いはしねーよ」
されても困ります…。
これから一年大丈夫だろうか…。
明日以降の無事をただただ願うばかりである。