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夢繰り屋 凛 第七章 『後編』

第4章 男って奴は…。


突然、舞ちゃんがお兄ちゃんの手を繋いだまま
走り出した。

私達も慌ててついて行く。

(ん?なんか、周りの子供たちも走ってない?
 皆、慌ててどこ行くん?)

たどり着いた先は…大勢の人だかり。
お父さんたちが子供を肩車してるし…。

「なんや。キャラクターショーか…。」

浩二君が看板を指さした。

納得!!
子供たちが我先にと集まっていたのは、
今、幼い女の子に流行りのアニメのキャラクターショー。

『スイート・ハート』
『ハート』と呼ばれる主人公の女の子と
『ナイト』と呼ばれる王子様的な男の子。

派手な衣装に変身して、悪と戦うアニメ。

「こんなんは昔から変わらんけど、
 …せやけど、『ナイト』の格好…笑えるなぁ。」

看板を見ながら、浩二君がつぶやいていた。

「子供向けアニメってそんなもんやって。
 子供相手に地味やったら、流行らんやんか。」

ん?浩二君がまじまじと看板を見てる。
あまりに結びつかない光景に思わず笑ってしまった。

「ちょっと、そんなにまじまじと看板見ちゃって、
 子供みたいやで。」

そんな私の言葉に、

「いや~。この『ナイト』の格好はマジなしやで。
 ただ、これ見てみ。」

そう言いながら、指さした先に、

「この『ハート』の変身後の格好…。
 これが現実やったら、ヤバイで。エロいやん。
 …この中のおやじ連中は、この姿目当てかもやで。」

…なんですと!!
目をやると、男の子ヒーローの横に、セクシーな
格好の女の子ヒロインが…。

「いや…。ここは、舞ちゃんの夢の中やし…。
 実際にはそんな人もおるかもやけど、
 今はおらんやろ…。」

…ってか、そこ??
見てたの、そこなん??

子供の内は、セクシーなヒロインでも
普通に見てれるのに、いくつくらいから
違う目でしか見れなくなるんや。

…これやから、男って奴は…。
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