第4章 男って奴は…。
突然、舞ちゃんがお兄ちゃんの手を繋いだまま
走り出した。
私達も慌ててついて行く。
(ん?なんか、周りの子供たちも走ってない?
皆、慌ててどこ行くん?)
たどり着いた先は…大勢の人だかり。
お父さんたちが子供を肩車してるし…。
「なんや。キャラクターショーか…。」
浩二君が看板を指さした。
納得!!
子供たちが我先にと集まっていたのは、
今、幼い女の子に流行りのアニメのキャラクターショー。
『スイート・ハート』
『ハート』と呼ばれる主人公の女の子と
『ナイト』と呼ばれる王子様的な男の子。
派手な衣装に変身して、悪と戦うアニメ。
「こんなんは昔から変わらんけど、
…せやけど、『ナイト』の格好…笑えるなぁ。」
看板を見ながら、浩二君がつぶやいていた。
「子供向けアニメってそんなもんやって。
子供相手に地味やったら、流行らんやんか。」
ん?浩二君がまじまじと看板を見てる。
あまりに結びつかない光景に思わず笑ってしまった。
「ちょっと、そんなにまじまじと看板見ちゃって、
子供みたいやで。」
そんな私の言葉に、
「いや~。この『ナイト』の格好はマジなしやで。
ただ、これ見てみ。」
そう言いながら、指さした先に、
「この『ハート』の変身後の格好…。
これが現実やったら、ヤバイで。エロいやん。
…この中のおやじ連中は、この姿目当てかもやで。」
…なんですと!!
目をやると、男の子ヒーローの横に、セクシーな
格好の女の子ヒロインが…。
「いや…。ここは、舞ちゃんの夢の中やし…。
実際にはそんな人もおるかもやけど、
今はおらんやろ…。」
…ってか、そこ??
見てたの、そこなん??
子供の内は、セクシーなヒロインでも
普通に見てれるのに、いくつくらいから
違う目でしか見れなくなるんや。
…これやから、男って奴は…。