第5章 恐怖のお化け屋敷。
ショーも終わり、遊園地のアトラクションも
色々と楽しんだ舞ちゃん。
実は、お父さんが平気ぶっているお兄ちゃんを
怖がらせるつもりで入る事になったお化け屋敷。
完全に舞ちゃんは、巻き添えを食った形だった。
…あ、入ってっちゃう…。
「よし、俺らも行くで。」
浩二君に手を引っ張られ、半ば引きずられるように
私は足を踏み入れた。
独特な雰囲気に、恐怖を煽る音響…。
…な!!何?このお化け屋敷!!
舞ちゃんの恐怖の大きさが手に取るように
解りまくった。
あまりにも怖かったみたいで…。
普通の遊園地のお化け屋敷の景色ではなかった。
「…浩二君…こ…これは…一体…。」
「うん。すげーな。足元も。多分ほんまは、
ボロボロのつり橋が絵に描かれてる感じ
やったんやろうけど…本物に変わってるやん。
…ってか、これ…ヤバイ世界になってるな…。」
足元は、ボロボロのつり橋…。
しかもよく見ると、底には手を伸ばす魍魎達…。
作り物感ゼロ。恐怖度120%増!!
「ぎゃ~!!下!!下見て!!怖すぎる!!」
叫びまくりの私に浩二君は、
「いや、下見んなって。行くぞ。」
…何でそんなに冷静でおれんの!!
しがみ付く私を引きずるように、
浩二君は前に進んだ。