第3章 夢の中へ。
いつものように、すんなりと寝てもらって、
夢の中へ…なんて、五歳の子には出来るはずもなく、
私達は、おままごとやお絵かきで舞ちゃんが
眠たくなる、お昼寝の時間を待った。
一つ発見!!
浩二君って、子供と遊ぶのが上手!!
なんだか、舞ちゃんもすぐに浩二君と
打ち解けて、ずっと膝に座ったりして…
…羨ましい…なんて、五歳児にヤキモチ
焼いてる私は…なんて、情けない。
そして、そろそろ目を擦り、
あくびが出る時間となってきた。
「舞ちゃん…ちょっと、お昼寝しようか。」
そう言って、山口さんは舞ちゃんを
お昼寝マットに寝かせてあげた。
ここからは、私の出番!!
…そして、恐怖の時間…。
舞ちゃん本人に、怖い夢を思い浮かべて…
なんて言える訳がないから、
私が、舞ちゃんの手を取り、強く念じる事になった。
すると…浩二君が、
私の手を握った。
「お前一人やったら、永遠にお化け屋敷から
出て来られへんような気ぃするから、
俺もついてったるわ。」
「神様、仏様、浩二様~!!」
そう言って、浩二君に手を合わした私に、
「おう。敬え!!もっと俺を、敬え!!」
笑いながら、ふんぞり返った浩二君…。
そんなやり取りを見ていた山口さんも笑ってた。
「ほな、ちょっくら行ってくるわ。」
私達は、山口さんに微笑んで、目を閉じた。
薄れゆく意識の中で…、
「よろしくお願いします。」
山口さんの声が聞こえた気がした。