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夢繰り屋 凛 第七章 『後編』

第3章 夢の中へ。


いつものように、すんなりと寝てもらって、
夢の中へ…なんて、五歳の子には出来るはずもなく、

私達は、おままごとやお絵かきで舞ちゃんが
眠たくなる、お昼寝の時間を待った。

一つ発見!!
浩二君って、子供と遊ぶのが上手!!

なんだか、舞ちゃんもすぐに浩二君と
打ち解けて、ずっと膝に座ったりして…

…羨ましい…なんて、五歳児にヤキモチ
焼いてる私は…なんて、情けない。

そして、そろそろ目を擦り、
あくびが出る時間となってきた。

「舞ちゃん…ちょっと、お昼寝しようか。」

そう言って、山口さんは舞ちゃんを
お昼寝マットに寝かせてあげた。

ここからは、私の出番!!

…そして、恐怖の時間…。

舞ちゃん本人に、怖い夢を思い浮かべて…
なんて言える訳がないから、
私が、舞ちゃんの手を取り、強く念じる事になった。

すると…浩二君が、
私の手を握った。

「お前一人やったら、永遠にお化け屋敷から
 出て来られへんような気ぃするから、
 俺もついてったるわ。」

「神様、仏様、浩二様~!!」

そう言って、浩二君に手を合わした私に、

「おう。敬え!!もっと俺を、敬え!!」

笑いながら、ふんぞり返った浩二君…。
そんなやり取りを見ていた山口さんも笑ってた。

「ほな、ちょっくら行ってくるわ。」

私達は、山口さんに微笑んで、目を閉じた。
薄れゆく意識の中で…、

「よろしくお願いします。」

山口さんの声が聞こえた気がした。




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