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呪霊に育てられた女の人生

第1章 始まり


「いや、マジの話。あの時さすがに肝が冷えちゃったよ。あ、ちなみにその時の写真がこれ」
そう言ってスマホを取り出して、写真を見せてくる。そこには、サナちゃんの口に頭を半分食べられながらピースをする先生の姿が。
「いや、全然余裕じゃん」
 すかさずツッコミを入れる真希ちゃん。
「サナちゃんいつも優しくておっとりしたいい子なんだけど、先生が私の近くに来ると嫌みたいなの。でもそれを面白がって先生が私に抱き着いてくるから、いっつも喧嘩になるんだよね」「……なるほどねー……」
はははっと乾いた笑いを浮かべる。すると今度は横に座っている棘くんが自分の口元を指差しながら、「しゃけ」と言った。

「棘くんはサナちゃんと仲良しだから大丈夫だよ。サナちゃんも棘くん大好きだって。真希ちゃんも好きだって言ってたよ」
「おかか」
「かわった呪霊だよな……いや、も相当な変わり者だけど」「え、私?」
「自覚なしとかどんだけだよ」
「ツナマヨ〜」
「うーん、自分じゃよくわかんないや」
 えへへ、と笑うと皆が一斉にため息をつく。なんだろう?
「そう言えば乙骨くん何処に行ったの?」
 ふと思い出したので聞いてみると、パンダくんが答えてくれた。
「憂太なら里香とデートだよ」
「里香さんと!?︎ 2人ともお似合いだね!」
きゃっ!っと両手を合わせて喜ぶと、またもや深い溜息が周りからもれる。
 え? え? 私なんか変なこと言った?
「特級術師ってのは、変わり者の集まりか?」
「へ? どういう意味?」
「乙骨は呪霊とデート。お前は呪霊と家族だのお友達だの……」
「私だけじゃないよ? 先生も変わってるもん」

「そういう問題じゃねーんだよ」
「すじこ!」
何となく会話が噛み合わないまま、その後も暫く4人で喋っていたけど、結局最後まで真希ちゃんが何を言おうとしてたか分からず仕舞いだった。

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