• テキストサイズ

呪霊に育てられた女の人生

第1章 始まり


「でも、その子は危険だよ。その子は人の負の感情から生まれた呪いだから」
「サナちゃんは悪い子なんかじゃないもん!」
「君がどう思ってるかは関係ないんだよ。でも……まぁそうだね。彼女らは相当君が大事な様だし、君も無意識に彼女を制御出来てる。絶対に祓わないといけない存在とは言い難いか」「……?」
何を言っているのかさっぱりわからなかったけど、とりあえずサナちゃんは大丈夫みたい。良かったぁ……。
「君の名前はっていうんだよね?」
「うん」
「僕は五条悟。呪術高専の教師をしているんだ」
「じゅじゅつこうせん……? 先生なの?」
「そ。よろしくちゃん」
「宜しく……お願いします」

 それが私と五条先生との出会い。そして私の人生が大きく変わるきっかけになった日だった___。






「有り得ねー。小学生の子供にいきなり攻撃するか?」
 バリバリと煎餅に噛みつきながら、真希ちゃんが呆れた様に言う。それに横に座った五条先生がだって〜と声を上げた。

「この子が呪霊を操れるって聞いた時点で、こっちとしては即刻保護対象なんだよ。下手したら特級呪霊になる可能性もあったし」
「それは分かるけど……ってか、お前も何でそんな呑気な顔してられるんだ。危うく死ぬところだったぞ」
「え? そうなの?」
「んー、僕最強だからさ。手加減はちゃんとしたし」
真希ちゃんが、チッと舌打ちをして、お茶を一気に飲み干した。
私はと言うと、2人が話している内容の半分も理解できなくて、ただポカンとしていただけだった。

「で、今までこいつんちに住んでたって訳? 教師が生徒に手を出すって最低だな」
「ちょっと待った。手どころか足も出してないよ僕は。人聞き悪いなぁ。それに一緒に住んでたっても部屋は別」
「お前こいつに変な事されなかったか?」
真希ちゃんが心配そうに私の顔を覗き込む。
「それは、うん……大丈夫。むしろ先生のが危なかった」
「どういう意味だ?」
「先生、サナちゃんを怒らすの上手なんだもん。いつサナちゃんが先生を食べるかヒヤヒヤしてたよ私」
「……は?」
信じられないものを見るような目でこちらを見つめる。

 
/ 15ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp